OUR STORY
ART地project @呉駅前
呉のまちにARTを
ART地project実行委員会 代表の 中原佑介 と申します。
私は、呉で生まれ育ち、現在は建築の仕事に従事しています。
なぜ、呉の街にミューラルアートなのか?
数年前から、建築知識を活かし「空き家」の活動や、西日本豪雨災害をきっかけに始めた「TEGO(竹チップ)」の活動などを行うなかで、呉のまちに関わることが増えてきました。
そんな時、目に飛び込んできたのが、まちの中にあふれる「たくさんの壁」でした。
みなさんは、ミューラルアートという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
ミューラルアートとは「MURAL=壁画」からきており、壁に描くアートのことです。
2015年に訪れたパレスチナで
バンクシーが描いたミューラルアートを見てからというもの、私はその魅力にハマってしまい、自分の住む呉の街でも見たいという想いが強くなりました。
[Cercuration]-循環-forBeeat!!八重洲 / imaone,SUIKO & FATE/Yaesu,Tokyo/2021
SUIKO × FATE@fate_sca/Osaka,JAPAN 2020
日本でも各地でミューラルアートのプロジェクトが立ち上がりまちに活気を与えているという事例が増えて来ましたが、まだまだ「勝手に描く破壊的ものという」というイメージがもたれています。
海外では、「まちの中にあるもの」アートとして親しまれている壁がたくさんあります。
ミューラルアートは、街に溶け込むというよりは、いい意味での「違和感」があるのです。この違和感がもたらす存在感が見るものに刺激を与え、魅力を感じさせるのだと思います。
何も考えずただ描く落書きではなく、アーティストがその土地の現状や想いを感じて描くミューラルアートは、嫌悪感とは正反対の、ワクワクするような高揚感にも似た感情を与えてくれるのです。
今は使われていないグレーのただの壁が、ミューラルアートで埋め尽くされ
「アートがあふれ出す街」
になったら...呉の街が輝く場所になると思ったのです。
呉の今、私が思い描く呉の未来
かつて、軍港の町として栄えた呉市。
海と山に囲まれ、自然豊かでとても暮らしやすい街です。
しかし、残念ながら、高齢化や人口減少は深刻な問題となっており,街の中心部でも、映画「ドライブマイカー」で注目を集める島々でも空き家が増え続けています。
このような暗いニュースがある中で、呉市は,令和3年9月に「呉市観光振興計画」を策定し,観光を呉市の基幹産業とする方針を示しました。
私たちのプロジェクトは,呉市の軍港の街として栄えた歴史や島々の自然の豊かさにアートというアクセントをえ,新たな観光の柱の一つとなれることを目指しています。
「企画はいいけど、うちのビルにはちょっとねぇ...」
「田舎でそんな派手はことはできんわいね!」
「落書きが増えたら困るわ!」
全く馴染みのない新しいアートに対しての反応は厳しいものでした。
そこで、まずは
「日常の暮らしの中にミューラルアート(壁画)がある風景を受け入れてもらう」
ここからスタートすることにしました。
「呉市民のアートに対する反応」
2022年4月 呉中央公園マルシェイベント「あさまち」にて
ART地project実行委員会の初めての活動として「自由に描ける壁」を公園の真ん中に設置しアートに触れてもらいました。
初めてのスプレー缶に興奮する子どもたち。最初は戸惑っていた人たちも、足を止め、どんどん描いていきます。白い壁がカラフルなでワクワクする壁に変化していきました。
この日、子どもから年配の方まで年齢を問わず、また国籍を超え呉市在住の外国人まで、200名以上の方にご参加いただきました。
「初めてスプレーで絵を描いた。面白い!」
「街にアートがあると歩いて楽しそう!」
「 かっこいいアートが見たい!」
などの、意見をいただきました。
呉の街にアートを 最初の舞台はそごう呉店跡地
呉駅前にはかつて、「そごう呉店」という百貨店がありましたが、閉店により使われることのない大きな建物だけが残っています。
呉市民にとっては、たくさん思い出が詰まった建物ですが、かつての賑わいを失われ、駅前もどこか閑散とした日々が続きました。
しかし今、呉市が建物を取得し、ようやく駅前の総合開発が動き始めこの場所が新しく生まれ変わろうとしています。
私たちは、この場所で
「過去」を見つめ
「今」を感じ
「新しい未来」を受け入れていく
そのための社会実験として、そごう呉店跡地でミューラルーアートのイベントを開催します。
現在、そごう呉店跡地は周囲を白い壁の囲いで囲まれています。 この壁は、総合開発の進展に伴い、来年の4月以降は撤去されることが 決定しています。 期間限定で、今この時しか見ることができないミューラルアートが アーティストによって描かれます。
呉駅利用者や、呉の街に暮らす人々に、アートのある風景に触れてもらい歩きながら楽しめる未来の街を感じてもらう。そんなことを思い描いています。
このイベントを行い、そごう呉店跡地の建物を最後に有効活用し、呉駅前総合開発について関心を持ってもらうこと、呉の街の未来について考えてもらうことで、「そごう呉店跡地」は、「跡地」ではなくなり、未来へ向けてのスタートの地になります。
跡地をアート地に! 島々の新たな魅力を!
「ART地project実行委員会」は、今回のプロジェクトで
「ミューラルアートがある風景」を体験してもらい、徐々に日常の 風景として受け入れてもらいながら、
今後、この風景を呉市内各所に点在させていきます。
候補地は,高齢化が顕著で空き家も数多く存在している呉市の島しょ部。
今後 10 年以上の長い年月をかけて、空き家の改装+ミューラルアートを実施していき,、宿泊施設やギャラリーにすることで,誰でもミューラルアートが鑑賞できる施設として変 身させていきます。
これにより
空き家問題解決 + 壁画アートによる観光活性化
この2つを同時に実現できます。
ミューラルアートに特化した独自性と屋外で観るスケールの大きいアートの魅力は、呉の風景を強烈に印象付け、人々の記憶に刻まれるはずです。